ミス自体は単純な物だが、それ故に被害は大きくなったとも言う。
粉や卵、牛乳を泡立て器で良くかき混ぜて……此処までは良し。
フライパンを熱して薄く油を引き、余計な油は拭き取る……此処も良し。
「えーっと、後は焼くだけだよねぇ……えいっ♪」
さあ、いざ焼こうというその時……少女はボウルの中のタネを、纏めてフライパンへ投入。
……そう、「約4枚分の」「材料合計300gを超える」「ボウル一杯のタネ」を、一度に纏めたのだ。
結果は勿論、巨大な一枚のホットケーキに仕上がった。
直径はおよそ12~13センチ、厚さは3センチ程度。無論重量も見た目に比例してある。
大きめの皿に何とか収まる程度のそれは、生焼けで無いのが救いだろうか。
「……ねえ、アリス。これ二人で食べきれるかなぁ……?」
(……無理だと思うよ、お姉ちゃん……)
少し呆然とした所で我に返った少女。結局小さく切り分けて、人形達の力を借りて食べきったとか。
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