初めての出会いは会議室の一角にて、偶然に。
それからはずっと一緒に居て、多分友人知人の誰よりも共にいる。
自分を作った誰かよりも、自分と暮らしていた人よりも、きっと。
そうして気付けばただの人形の様だった自分に体温が与えられて。
温もりと愛情に包んでくれて、やがて家族までもくれた人。
ずっと傍にいてくれると約束した人。ずっと傍にいると誓った人。
(……ずっと、いっしょ……)
傍らの温もりを逃したくないと、縋り付くように腕に僅かな力を込める。
それをすぐに察してくれて、優しく髪を梳き頭を撫でてくれた。
それが嬉しくて、抱きつく胸に顔を擦りつける。
甘えん坊だね、と言う声と共に優しい口吻が額に降り注いで、幸せで満たされて。
(……お姉ちゃん……大好き……♪)
桃色の髪のアリスと呼ばれる少女は、今日も幸せです。
そうして翌朝目覚めた時に全てを傍ら出来ていた黒い髪の親友にからかわれて、
真っ赤になるのだけれど、それはまた別のお話。
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