それはどの世界、どの時代、どの次元にあるのかも定かではない。
ただそこに在る者達だけがそれを知っている、そんな場所。
天空高くに浮かぶ巨大な船の如き、箱庭を象る実験施設。
異世界・チキュウを遙かに凌ぐ技術を誇るそこで日々行われている研究があった。
それは【概念】の実体化という実験。
形のない概念に実体を与える事で、それを制御しようと言う研究であり。
既に研究はかなりの度合いまで進歩する事が出来ていた。
そして、6段階に分けられた研究が5段階目に差し掛かったその時。
その少女は……少女の姿をした概念の固まりは、誕生した。