そんな感じのストーリーが展開される訳ですが。
その合間合間に加わるのは現実世界での猟奇殺人ストーリー。
そもそもの発端はオズさん=小津さんの間違いだったりするのですけれどそこは割愛。
実際には試練を超える=猟奇殺人を犯すであり、ドロシーは暴漢に襲われ殺してしまった所から、
発狂して自宅に幽閉されており、その妄想がどんどん広がって世界へ……みたいな感じか。
妄想代理人に近いんじゃないかな、そのシステム的には。
仲間にしても実際のミロクはホームレス、通称ライオン。殺人を犯したドロシーの第一発見者。
ドロシーにしがみつかれて仕方なくねぐらへ連れ帰ったら近所で殺人事件発生。
嫌疑がかかると厄介だという事でドロシーを連れて逃亡している巻き込まれ系いい人。
クビツリは自殺しようとしていた人が死ぬのを見届けたあと、死体から切り取った腐乱手首。
ブリキは病院から逃げ出した痴呆老人であり、誘拐するような形で同行。
そんな感じで誰もが現実世界で死んだり死んでいたり殺されたり。
妨害者はドロシーに殺された人間の家族やその援助者でもあるわけで。
心神喪失などで法で裁かれなかった殺人犯を私刑にかけて殺そうという集団。
そして妄想世界でドロシーを追う敵は、ドロシーを襲って殺された暴漢の父親。
つまりは逆恨みな感じですが、まあ。うん。
そんな感じでラストになだれ込む訳ですが、オチが男性、特に古いタイプの方には
少々きつい物があるかなぁ、とか。逆に中年以降の女性は喜びそうかも?
著者もこのお話を辛いと思うかカタルシスを感じるかで自分の現状がわかるとか言ってますしね。
人々の認識の違いと世界間の異なる描写、それらの混ざり合いが楽しかったですね~。
妄想世界のクビツリの最期とか実に良い感じだったと記憶しております。
万人には決してお勧めできないですがまた機会あったら読んでみたいですねぇ。
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