その村に住まう双子の少女がいた。彼女らはとても力のあるドリーマーだった。
姉は穏やかな性格で、夢による他者の癒しを与えており。
妹は正義感が強く悪夢による罰を悪しき者に与えていた。
二人の力は既に村一番と言われ、誰もが彼女らの事を認めていた。
……しかし、ある日を境に双子の様子がおかしくなっていく。
いつも一緒だった二人が離れて行動し、時に喧嘩まで始めたのだ。
村の者達も始めて見る光景に驚き、大いに戸惑った。
そしてある時皆は気付く。二人の諍いは、いつも妹から姉に仕掛けていると。
姉はむしろ、何故妹がそんな行動に出るのか戸惑っている、と。
やがて村人達は双子の仲を取り持とうとし始めた。もう一度二人で仲良く暮らせないか、と。
姉はそれを望んでいたし、妹もそれを望んでいると思っていた。
そして妹がもう一度共に暮らす事を承諾した事で、全ては解決したと思われた。
……数日後、双子は村から姿を消すまでは。
村一番のドリーマーであった二人は、忽然と姿を消してしまった。
……そしてその数ヶ月後、カーシャ王宮の仕官者達に一通の招待状が届く……。
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