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此処はIFのネットゲーム「KINGDOM OF CHAOS」関連のブログです。対象大陸はNL、時々LGやOLとなっております。最近ゴールデンロア・世界樹追加しました。 知らない人、興味ない人には大して面白くないかと思いますので引き返す事をお薦めしますよ?
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それは後3ヶ月で冒険者生活も8年目に入ろうとしていた、とある槌使いの物語。

その日、彼が受けてきた依頼。いつもと変わらぬ依頼の筈だった。
だがその日に限って住み込みで働く従妹や親戚、妹が騒いでいた。
嫌な予感がすると訴え、死相が出ているといつになく真面目な顔で呟き、日が悪いと囁かれ。
だから、その日は普段携帯しないそれを手に、依頼へ向かった。

「らぁっ!!」
襲いかかる虎男を愛用のモールで叩き潰し、生命力を奪ってくる死霊を力任せに薙ぎ払う。
グリフォンにも二回遭遇し、二匹目から爪の一撃を貰ってしまった。傷からは少なくはない流血。
だが、その痛みも戦闘に飢えた身には心地良かったのだが……。

「……は、俺の血の臭いに惹かれて来やがったかぁ……?全く、物好きだな」
軽口を叩きつつ、仲間達と共に標的であるワイバーンと交戦しているハーグ。
そう、ここまでで既に2回、ワイバーンの爪や牙が自身を襲い、傷を負わせていた。
よくまあ此処まで耐え切れたと自分でも思う。それ程までに連続した攻撃。
自身も槌を叩き付けていたが、これまでに負った傷のためか僅かに力が入らない。

「……ぐっ……!!……か、ははっ……テメエなんぞと刺し違える羽目になるたぁな……やれえっ!!」
交差の際、左肩に喰らい付いたワイバーンの顎を無理矢理に押さえ込み、仲間達に叫ぶ。
断末魔の咆吼を上げ、仲間の攻撃で倒れていくワイバーンを視界に留めながら、意識が暗転していく。

(ちっ……こりゃ、ダメだな……まあ目的は果たせてた様なもんだし、悔いも無いか……)
薄れ往く意識の中で共に暮らしていた者達の顔を思い浮かべ……。















「……ああ、良く見知った天井だな」
目を覚ます。どうやら出がけに持たされた、一度だけ死を免れるという白いリボンが利いたらしい。
とは言えワイバーンの牙が食い込み、奴の血肉が混ざった傷口がある左肩は満足に動かなかった。
全身にも凄まじい倦怠感と鈍痛が満ち、とてもまともな状態であるとは言い切れない。

「竜の血肉は傷に混ざって同化するだの、その部分の骨で竜殺しの武器を作るだの言うが……。
下手な火傷よりいてえな、こりゃ……オマケに変色かよ。刺青じゃねえんだぜ……?」
小さくぼやくと共に、部屋の扉が開かれ見知った人物が入ってくる。
彼女、アンジェは手当て用の水差しやタオルを持っていたのだが……。

「……っ!起きたの!?みんな、おじ様が起きたわっ!」
普段の冷静さや茫洋とした様子は無く、年相応の歓喜と驚きが感じられる声で叫んだ。
それから数分の後には、しばらく顔もあわせていなかった親戚一同が室内に溢れている。

「っつーか、何でこんなに居るんだよ……」
「私が呼んだからよ、大事なおじ様の為だもの。当たり前だわ」
「真っ当に聞こえるが、そのにやつきは何だアンジェ」
「無事だって分かってからは宴会になった。御馳走一杯用意したり」
「ほぉ、その費用と場所は何処から出たのか聞かせて欲しいもんだな、シェリー」
「ついでに、また何人か滞在するみたいだからよろしく~」
「さらっと重要な事を報告するな、この愚妹」
「ああ、お兄様ご無事で良かったですわ……もしもの事があったらお兄様を殺して私も死のうとっ!!」
「言ってる事が物騒な上にさっぱりわからねえ、ひとまず落ち着けミリィ」
まだ体が怠いんだが、と心中でぼやく彼の元に一人の青年が進み出てきた。
彼の名はセドリック。ハーグの甥っ子で、両親が確かどこぞの教授を務めていたはずだが……。

「親父達の指示には逆らえないんで……僕の学生生活の為厄介になります」
「理由は何となく予想が付くが……取りあえず話を詳しく聞かせて貰おうか。セドリック」
「卒業させて欲しかったら魔物の生態や特徴の調査をやれ、と言われましてね……」
「ああ、人件費の削減って奴か……まあ宿くらいは貸してやるから頑張れよ」
「ええ、叔父さん。しばらく厄介になります」
そんな訳で此処に数少ない男性の家族が生まれたり。

「そう言えばおばさんも来てた。傷の手当てしながら、気持ち悪く笑ってたけど……」
「おばさんって……まさかあの魔女かっ!?」
「ええ、セラ伯母様でした……何でも死んだら骨を貰って帰るとか」
「あの万年若作りババァ……よりにもよって目を付けられたのかよ……」
「その内遊びに来るって言って一度帰ったよ。兄貴、ご愁傷様ー」
「勘弁してくれ……」
がっくりと項垂れながら頭を抱えるハーグ。
なお、件の魔女とやらの手当ては実に効果的で、数ヶ月後には傷も完治していたとか。

彼の冒険者としての生命は此処で終わってしまう。
その後は冒険に出る一族の者達に援助などをしつつ暮らした。
また、飛び出してきた国の兵団にも一度戻り、しっかりと退役を伝えてきたという。

……その際に密かに行われていた賭けに買ったり、模擬戦の約束を取り付けられたり。
それまでの経験や戦闘能力を活かして教官としての任に付いてくれと団長直々に請われたりなど。
忙しいながらも充実した日々を送っていた事を此処に記す。


槌使いハーグの冒険:終了
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