ワイバーンとの遭遇を機に、トロル討伐やワイバーン狩りなど高ランクの依頼が来だした男性。
それに伴い失いつつあった情熱も再び燃え上がってきていたのだ、が……。
「……こいつが今回の標的か……でかいな」
今回の依頼、巨大な怪物との情報通り凄まじく巨大な怪鳥が現れた。
自身は傷など負っていない物の、虎の群れやインプとの戦いで傷を負った仲間もいた。
だが、怪鳥は傷ついた仲間には目もくれずに上空へと舞い上がると……。
「……あぶねえっ!」
一人後衛として魔法の詠唱を行っていた魔法使いに突撃、鋭い嘴で一撃を加える。
魔法使いが崩れ落ちるのを見ると共に、一行は不利を悟った。
こちらに狙いを付けてくる怪鳥に一撃を加えては一人ずつ逃走していく。
自身も怪鳥の羽に一撃を叩き込んだが、仕留めるには至らず逃走する羽目になった。
……久方ぶりの同行者の死が、情熱に水を差す形となっていた……。
一方占い師アンジェはと言えば、淡々と依頼をこなし淡々と過ごしていた。
自身の力が増すのが分かり、占いも的中率を上げている。
だがそれは言い換えるならば先が見えてしまっている事に他ならない。
「退屈、ね……」
珍しいキノコ探索の依頼でも、在処が何となく分かるので好奇心がうずかない。
結果、どんな依頼を受けてもじわじわと退屈という名の毒に蝕まれていく彼女。
既に情熱は冒険を始めた当初の半分程になっているのだった……。
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