この頃情熱減退気味の槌使い、ハーグ。
そんな彼が引き受けたのは巨大な怪物討伐の依頼。
とは言え今まで連続でトカゲとしか遭遇していなかった為、あまり乗り気ではなかったのだが……。
「……っ、こいつは……ははっ、良いねぇ!ワイバーンって奴か!!」
洞窟の最深部で風斬り音と共に舞い降りたるは、巨大な翼竜……ワイバーン。
思わず血の滾る感じを思い出し、槌を握りしめる手にも知らず力が籠もる。
「……っ、ぐっ、かはっ……はははははっ!!」
ワイバーンの巨躯が戦場を飛び回り、牙の一撃を腕に受けた。
一撃で重傷を負いつつも、愉悦の声と共に交差する間際モールを叩き付ける。
固い鱗を通して、何かを潰した手応えが確かに感じられた。
……激闘の後、死者は出さずにワイバーンは倒された。
そしてこの敵との遭遇で、失われつつあった彼の情熱が僅かなりとも戻ったのであった。
一方、前回失敗したキノコ探索の依頼を今回も受けた占い師の少女アンジェ。
前回は戦闘に次ぐ戦闘で凄まじく能力の上昇が出来たのであったが、今回は……。
「ふう……今回もなかなか大変ですが……こちらですね」
前回とは違い、カードは順調に道を指し示している。
道中で、行く手を遮る大ネズミやコボルトを仲間と共に迎撃し、数体を炎の魔法で焼き尽くす。
そうして幾度かの戦闘をこなした後に、キノコを無事に発見した。
「……これも導きの結果……幸運のカード、ですね」
更にその場で質は良くないものの帽子を発見・回収した一行。
酒場に戻った後の報酬配分で見事帽子を引き当てたのだった。
「しかし、あまり分かりきっているのも考え物、ですね……」
手札を用いた占いのせいで驚きが無い、それは僅かに情熱の減少を招いたのだった。
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