「それじゃあ、まずはドールから。しばらく動いてなかったみたいだけどさ」
各々が寝間着に着替え、孤児院のベッドに腰掛けて話に興じている。
口火を切ったのは金髪の少女リンダ、まずはリーダーでもある自動人形に話を向けた。
「ん~……しばらくは皆の様子見てたからね。時々潜る位かな?
パヤレースや露天巡りはしてたし、幾つか新しいアイテムも拾っては見たけど」
急速の発展に少し付いていけなかったかな、と小さく零す自動人形。
「それに、今はシルバーインゴットの入手方法をどうにかして見つけたいんだよね。
アレがあれば色々幅も広がるだろうし……」
誰か知っている人に聞いてみようかと思えどもなかなか思い切れない所だ。
「それじゃ次はあたしね……レベルを上げようと思えば2つ位一気に上げられるかな」
そう言ってリンダはにっと笑みを浮かべる。冒険者証に記された経験点は既に5万を超えており、
レベル4の現在なら確かに一息でレベル6まで上がれそうであった。
「しばらくは道具集めしようと思ったんだけどさ……このまま一気に深い所で探すのもアリだよね。
眠り草とか天使の羽とか、また需要が出てきてるしさ。
必殺技をある程度修得したら、レベルも上げてチーム戦とかもでてみようかなって」
リンダはそう言って愛用のドラゴンスレーヤーをちらりと見つめた。
「じゃあ次は私ですね……私は皆の集めてくれたアイテムを、お店で売ってみたりしていますよ。
なかなか売れない商品もあったりしますけれど……お店が少ない今はチャンスかも知れませんね」
銀髪の少女シエラは売り上げの入った袋を覗き込みながらそう呟いた。
仲間から不要になった装備品やドロップ品を預かり、販売しながら時々ダンジョンに向かっている彼女、
幸いメンバー内3名の中では最も体力がある為、不自由は無いようだ。
「私も弓矢と防具の技を覚えた後は、レベルアップをしてみようかと……」
こちらもレベルを1上げる程度なら容易い程に経験を積んでいた。
「私は魔法を磨いているけれど……やっぱりレベルが大事みたいねぇ」
おっとりと微笑む黒髪の少女ルーミィ、彼女も何度もダンジョンに潜っているのだが……。
自動人形は言うに及ばず、他の2名に比べても体力が非常に低い為に難儀している。
と言うのも扉を鍵なしで開けるダメージが一気に跳ね上がっているのだ。
レベル=最大ダメージと思っていたがレベル4でも6ダメージまで受けてしまう。
体力が30もないルーミィにとってはそれが非常にネックとなっているのであった。
「もう少し強い杖があればいいのだけれど……難しいわよね。スロットにもお金がかかっちゃうわ」
出来るだけ倹約を心がけているルーミィにはスロットはなかなか手が伸びないらしかった。
「うん、まあ皆それぞれなんだな……よし、来年も頑張ろうねっ!」
皆の話を聞き終えた後、幾つかの目標を決めてからその夜はお開きになった。
目標は以下の3つであり、孤児院の壁に張り紙として貼られたのだった。
・シルバーインゴット入手法の発見、及び出来るだけ沢山ゲット。
・パーティ全員の強化や技習得。
・ポイントダンジョン専用品の出来るだけ入手。
PR