少女が人形達に与えた命令はただ一つ……。
「祝いの品をこっそりと届けておいで」
この命令を果たす為、二体の人形は街を駆けめぐり……目的地へと到着。

真面目で堅い性格の人形は、新郎の部屋の前でじっと待ち続け。
狡猾で軽い性格の人形は、新婦の部屋が見える場所でのんびりと眠っていた。

やがて部屋の主が戻った時、真面目な人形はすぐに祝いの品を部屋の中に置き。
狡猾な人形はのんびりと起きあがると、部屋の主が気付く前にこっそりと品物を置いた。

……結局二体とも品物を届けたのに気付かれていたのだが。
人形達は仕事をやり遂げた、という表情で微笑みながら家路に就いていた。