まずは恒例の謎パンを投げ込む、記念すべきパン配布15人目の相手だ。自然と気合いが入る。
並み居る学園の生徒達の間をすり抜け、謎パンを見事に奪取した。大きな勝利だ。
これを今は国外にいる某方のお宅へお届け。某方には昨日届けたので今日は同居している方のお部屋へ。
後程、お礼の手紙とカードが送られてきており、大切そうに少女がそれを仕舞い込んでいたのが目撃された。
さて、それはさておき今度は書物。これは某方の誕生日祝いだったのだが……。
どうやら受け取りが難しいらしく、少々考え込んだ後に明日の夜に届ける事にした。
無言投げ込みの目論みが潰えたが、此処はまあ仕方がない。譲渡しっぱなしでは相手に悪い。
そして、書物を買いに行った際に商店街で見つけたとある代物……ヒヨコの瓶詰め。
縫いぐるみの様だが、押すとピヨピヨと鳴いているそれを眺めるとある方の顔が思い浮かび、衝動的に購入。
二つ買った内、一つは中身を取り出して命を与え、工房内で遊ばせる事にした。
もう片方はあの方にお届けだ。音を立てぬように家へと赴き、こっそりと窓の下へ。
縫いぐるみだからカーシャの夜でも凍えたりする事はないだろうと考えつつ、そっと家路についた。
……やはり何かを投げ込むのは楽しい事だ、と再認識した夜だった。
※本日のNG
もう片方はあの方にお届けだ。音を立てぬように家へと赴き、こっそりと窓の下へ。
「……角度良し、窓近辺の熱源感知、良し……構えっ……!」
少女が鋭く命じると共に、数体の人形が窓目掛けヒヨコの詰まった瓶を投擲する構えを取った。
かつて、少女がいえろ~と呼ぶ相手へ幾度も行われたお届け方法が、今此処に再現される……!
そして人形は、少女の唇が僅かに動いた、その瞬間に投擲を行って……。
(このお話は一部を除いてフィクションです。具体的には4行目以外は)
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