少女がぽつりと呟いた一言が発端となった。
「このお話、面白いんだけど……挿絵が欲しかったかも。あんまり上手く想像できないや」
とある物語を読み耽る少女の呟いたこの一言に、その人形は反応した。
少女としては挿絵が無くとも十分に満足しており、自分の想像力を鍛える良い機会だと思っていたのだが。
その人形は少女のイメージにあう絵を探そうと思い立ち、大まかにイメージを聞き出すと工房を飛び出した。
そしてその人形は幾ばくかの時を経て工房へと戻り、集めてきた絵を少女に渡す。
……その時の少女の顔は、とても嬉しそうで。その人形は満足しつつ一時の休息を取る事にしたのだった。
PR