死の名を冠する歌、喪失を流れる川に例えし歌、魔法の名を冠する表裏の歌。
「聞いた事が無い歌だねぇ……何処の歌?」
少女の問い掛けに小さく「異界」と答え、再度人形は歌を再開した。
歴史と運命に抗う軌跡を綴る歌、同一なる楽園と奈落の歌、力を望む少年の歌、生死と朝と夜の歌。
「ん~……なんだか色々とイメージがかき立てられるね……♪」
何時しか少女は作業の手を止め、人形の歌に耳を傾けていた。
歌の内容は二転三転、架空の未来の歌、己を貫く者の歌、そして悪魔と少女と聖戦の歌。
何時しか楽器を構えた人形達が演奏を行い、工房内では小さな演奏会が繰り広げられていた。
その歌を少女はしっかりと記憶し、良く口ずさんでいたりするのは別のお話。
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