ギルド・ユグドールズの一行も一時解散する事となった。
故郷へ戻る者、暫し旅を続ける者、それぞれの理由である。
1年の後にまた会おうと約束し、所属した者達は別れ……そして、後に残ったのは。
「……どうするの?」
「次の世界樹を探すのか?外に出るのは初めてだからどこであろうと不満はないぞ」
「私もだ」「私もー」
カースメーカーの少女・レムレスとアルケミストでありギルドマスターの旅人。
そしてユミル・アルル・ルーナの3人のモリビトであった。
他の皆と異なり帰る場所を持たぬ者、どうするかと考え込んでいたその時。
「……!」
突如として奇妙な感覚を覚えると共に、空より現れた影に呑み込まれた一行。
影が消えた後には誰もそこには居なかった。
「……ぃ、おい、大丈夫か?」
ユミルの声で旅人が目を覚ますと、そこは大きな木の根本にある不思議な石版の前。
森の中らしいそこで気絶していたらしい。周囲にはこちらを見つめるモリビト3人の姿と。
「……何、これ……?」
獣の様な耳を生やし、紫だった髪が蒼くなり、鞭を手にした少女の姿。
良く見れば自分も衣装が替わり、弓を手にしていた。
「どうやら、此処は知らない場所の様だぞ……植物の分布などが違いすぎる」
「もしかしたら、そもそも世界が違う……なんてね」
「世界に併せて姿や力も変わった、とかー……読ませて貰った物語みたいですー」
ユミルの言葉にアルル・ルーナも頷き、推測を加える。
半分は冗談交じりであり、取りあえず戦闘能力や装備があるならと移動する事にして。
……そうして到着した街にて、己の推測が間違っていない事を知った一行。
カザンと呼ばれる街に到着した一行は戻る手がかりなどを探す為にハントマンとなった。
旅人はローグ、以前の世界ならばレンジャーとダークハンターを組み合わせた感じだろうか。
レムレスはプリンセスと呼ばれる歌姫、こちらはバードとカースメーカーの複合だろう。
残念ながらモリビト3人は戦闘技術が無い為に同行者となっていたが……。
そう言った職として登録し、ギルド:メビウスループが此処に誕生した。
彼らはまだ知らない。その場所が別の途を辿った●●であり。
いずれ訪れる竜達との戦闘を。
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