この世界ではどうやら人以外にルシェと呼ばれる種族が居るらしいと分かった。
男性ならば肌が浅黒かったり尖った耳を持ち、女性ならば獣の様な耳を持つ。
そうして勇敢であり、恐れを知らぬ勇猛な種族であるとも。
職業はローグやプリンセスの他に、ファイターやメイジ、ヒーラー、サムライ、ナイトの7つ。
ファイターやメイジ、ナイトは元の世界のソードマンやアルケミスト、パラディンだろう。
ヒーラーもメディックと考えれば良さそうだった。
事実、ファイターは剣や斧を振るい、術の追撃や連続攻撃が出来るなどの技を持つ。
魔法だけでなく弓を追撃し、攻撃と守備を分けられるのには驚いた物だったが。
メイジも炎や氷、雷の3属性を操る存在であり、薬学や無属性の術も扱う。
アルケミストと違い触媒も術式も無く、魔法である為に己では適性無しと思われたのだろう。
ナイトはパラディンの様に仲間を守り、属性防御を持ち、攻撃を受け流す。
だが騎士道なる信念の元剣を振るい、プリンセスに尽くすなど異なる面も持っていた。
こちらのサムライは刀ではなく剣でも技を繰り出せるほか、素手での戦闘も可能らしい。
敵の攻撃を受け流す他、構えで属性の異なる技を繰り出せるのは同じ様だったが……。
ローグは剣、特に短剣を使うか弓を使うかで戦闘方法ががらりと変わるタイプだ。
更にサムライが居れば攻撃力が上がり、状態異常付与技や行動順操作技を持つ。
ヒーラーは回復術や打撃の他、毒の術をも扱える存在であり、更に労働担当だった。
ギルド技術である採取や採掘の回数を伸ばす技を持ち、敵の生態に詳しい面も持つ。
プリンセスは後列から鞭を振るう他、能力上昇や敵への状態異常役の他回復も行える。
育て方次第だが回復・援護役と見ておけば良さそうだった。
「……差し当たって必要なのは……前衛職だ」
「……登録数は、16……?」
「そうだな、なら手分けして探してみよう」
「じゃあ私とルーナは南に」「ユミルは北ねー」
こうして一行は現在地……カザンの街にて仲間を集める事にした。
その結果……。
「これは……肩身が狭い……」
「……くすくす……」
「見事に女性ばかりだな。んー?」
「作為的よね~」「はーれむー」
桃色の髪をした元気なルシェ族のファイター・ピアリアス…・…通称ピア。
その相棒でやや無表情に見える白髪のルシェ族メイジ・ラスティ。
落ち着いた性格の、緑髪のナイトの女性・ミディア。
優しい雰囲気の金髪のヒーラー・ミアルカ。
ローグの旅人がギルドオフィスの前で出会い、勧誘して来たのはその4名であったのだが……。
ユミルは黒髪の凛々しい少女サムライ・コクラン。
勝ち気そうな赤髪の女性ヒーラー・エリザ。
常に周囲の様子を伺っている青髪の女ローグ・ラティを。
アルルとルーナは活発そうなファイターの少女・アテナ。
理知的だが悪戯好きな雰囲気も持つ金髪の女性メイジ・マルチナ。
そして金の髪をした高飛車なプリンセス・ローザを連れてきており。
ルシェのプリンセスの外見となった・レムレスはと言えば。
褐色の肌をした落ち着いた雰囲気のローグ・レイラ。
生真面目そうな雰囲気をしたルシェの少女サムライ・スズ。
自信に溢れた表情をした金髪の少女ナイト・アーネ。
そしてどこか小悪魔めいた雰囲気の紫髪のプリンセス・グラドリエラを勧誘してきた。
つまりは男性一人となった旅人であるが……。
「……まあ、よろしく頼む」
一同は雑用その他を押しつければいいだろうという無言の相談の元、了承。
此処に正式にギルドとしての活動が始まった。
PR