「まあ正直驚いたけどさ……だからってどうなる訳じゃないよな」
「そうね、私達に黙って居たのも分かる気がするし」
「殺そうとしたとか裏切ってたとか、そんなんとは違うしなー」
「……父さんも、信じてた……なら、信じられる」
第一パーティの面々……ソードマン・リィやパラディン・ミリディアナ。
メディック・アーリィやレンジャー・メロディが大きく頷く。
「誰も知らない情報を知ってるのって、むしろ興味が湧くわよねぇ」
「そうですなぁ、探索を進める上でもありがたい」
「それにあの時、世界樹はまだ在るとも言っていたでござるしな……」
「ますたぁに付いていけば、きっと鍛錬の機会には事欠かぬでござる」
「そうですわね、それに私達にはとても誠実でしたわ」
ダークハンター・ディアモンドやブシドーのトモエ、付き人のリンやワタル、タケシも頷き。
「今更抜けられたりしても、混乱するだけだしね」
「新参の私達にも活躍の機会を与えて貰えた以上、恩は返しませんとねぇ」
「そうですね、今まで僕らを信じてくれて居た分は、返さなきゃ」
アルケミストのシアやメディック・トール、パラディンのエクスも続け。
「それじゃあ、マスターやレムちゃん達の所にいくですぅ♪」
バード・ニーナの声を切っ掛けに一同はギルドマスターの青年が休む部屋へ向かった。
「……心は、決まった……?」
「はっきりと、聞かせて貰うぞ?」
カースメーカーの少女レムレスやモリビト・ユミルの視線を浴びつつ。
無言でこちらを見つめる青年へ、皆はそれぞれの気持ちをしっかりと伝え。
そうして翌日、決意の面持ちで扉の向こうへ向かう一同の姿があった。
そして真実を知った者を消さんとする男と、それに抗う者達の決戦が始まる。
強化を打ち消し、強大な自己修復能力を駆使し、物理攻撃を無効化する盾を張る王。
術式や追撃、属性斬撃に更なる強化や防御に先んじる狙撃で攻撃する一同。
長い戦いの末に、どちらも満身創痍と言った有様で。
「……此処が未来ならば、過去はきっと良くなる……だからもう、貴方は眠れ……!」
術式触媒となる小手・アタノール……そのオリジナルを嵌めた青年が、跳躍して。
よりその力を高めた氷結の術式で、長き時を生きた男に永劫の眠りをもたらした。
……そして一行は、エトリアの世界樹、その迷宮最後の謎に挑む為深淵へと踏み込んでいく……。
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