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此処はIFのネットゲーム「KINGDOM OF CHAOS」関連のブログです。対象大陸はNL、時々LGやOLとなっております。最近ゴールデンロア・世界樹追加しました。 知らない人、興味ない人には大して面白くないかと思いますので引き返す事をお薦めしますよ?
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今回も例によって、2名の冒険者のお話です。

「……うぉああああっ!?」
男性の叫びと共に、その体が浮遊感に包まれ、景色が上へと流れ落ちていく。
リザードマン退治の依頼で訪れたその場所、最初の部屋でガラクタだけを見つけた一行。
次の部屋に仲間の一人が飛び込み皆が後を追った瞬間、部屋全体の床が抜けた。
自由落下の後に待ち受けていた衝撃で全身に痺れが走る。
傷はそれなりに深いが、まだまだこの程度なら慣れたものだ。
男性、ハーグがそう思った瞬間、目の前に配下を引き連れたリザードマンの王が現れた。

「おいおい、王様までの直行便ってか……?余計なサービス精神満載だなこの野郎」
悪態を付きつつも即座に構える一行、その隙を狙わんとするリザードマン達。
前線にて一体のリザードマンを殴り飛ばし、トドメを任せた……と。
次の行動に出るまでもなく敵は討伐された。だが、中途半端な心境のままで何か物足りない。

「やれやれ、兵士やってた頃はこんな気分だったなぁ……うわ、やな事思い出しちまった」
冒険への情熱がほんの少し冷めたのだった。




一方その頃。ミリディアナと呼ばれた女性もまた冒険への情熱を僅かに失った。
それは男性の様に物足りなさからではない。むしろ逆だった。

……数日前、彼女らは人型の魔物を討伐して欲しいと依頼を受けた。
恐らく、非常に微妙な情報を持ちかけて来た依頼人を疑うべきだったのだろう。
しかしこの依頼に集ったのは皆15歳という駆け出しの若者ばかり。
若さ故の無知と無謀、そして自分は死なないと言う根拠のない楽観が後押しし、依頼を受けた。

「でも、人型の怪物とは言え色々居りますし……一体何が待ち受けているか、気になりますわね?」
彼女の声に頷きながらも、仲間達はまあすぐに分かるさと足取りも軽く依頼の場所へ向かう。
森の中を進み、立ち塞がるコウモリを槍の一撃で仕留めるミリィ……と。
仕掛けられていた光線の罠が仲間の一人を焼く。立ち込める肉の焼ける匂いに皆が顔を顰めた。

「っ……いけませんわ。まずは手当てを……っ!」
傷をおして進む仲間に手当てを申し出た時、オーカーゼリーと呼ばれる魔物が出現。
この魔物の特徴は非常に耐久力がある事と……。

「くっ、邪魔ですわっ!!」
無数の触手で次々と攻撃を仕掛けてくる事だ。
自分はリーチのある槍で触手を薙ぎ払い、一撃を受けるに留めたのだが。
倒しきるまでには皆幾度か攻撃を受けていた。
「はぁ、はぁっ……少し、甘く見過ぎてましたかしら……」
槍にもたれるように息を整え、更に森を行く彼女達の一行。
しかし手当てを疎かにしたツケが回ってくる。血の臭いを嗅ぎつけ、狼の群れに襲われたのだ。

「くっ、せいっ、やあっ!!」
必死に槍を振るい狼を寄せ付けまいとするも、その爪でザックリと腕が引き裂かれる。
元々自分の攻撃スタイルは槍を構えての突撃、つまりは直線的な攻撃だ。
森の中を縦横無尽に飛び回り、四方から飛び掛かってくる狼相手には実力を発揮しきれない。
更に仲間の一人が首を噛み千切られ、絶息したのを目の当たりにして恐怖が臨界を越えようとした。
「……っ、お兄様……!」

その時、彼女の脳裏に憧れた男性から聞かされた言葉が甦る。
(冒険者として苦労した事、か。恐怖や感情に呑まれないように自分を抑える事だな。
震えるのはいつだって出来るさ、だけど立ち向かうのは一度感情に呑まれちまったらもう無理だ。
必死で立ち向かって、いつもの自分に出来る事をやり尽くして、そして震えちまえば良いのさ)
その言葉に、いつものように槍を構え……こちらに飛び掛かってきた狼を貫く。
更に仲間達が狼を斬り捨て、この場は生き残る事が出来た……一人の犠牲と引き替えに。
そして依頼を失敗として引き返そうという提案に、彼女は逆らう気力を持たなかった。

「……ぁ、うあ……っ!」
呆然としていた彼女は森を抜け、村に戻った所で初めて顔を蒼白にして。
腰が抜けたように座り込んでしまった。

……こうして彼女の心に僅かな恐怖の芽が生じたのだった。
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