「出来たぁ~♪」
自宅で満足げに微笑む少女が一人、室内を見回しては何度も頷いている。
最初は小さな小屋だった住居が、今やこれ以上改築の余地がない位に整えられていた。
「ベッドもふかふかだし鍛冶屋さんも凄い人を雇えたし……厩と馬もバッチリ。
訓練用具も新調出来たし、これで私のお城の完成~♪長かったなぁ……」
感慨深げに息を付き、涙ぐむ彼女。これまでの苦労を思い返しているのだろう。
「ギルドにも加われたし、後は研究と鍛錬に集中出来るよね……頑張らなきゃ」
新たにやる気を出して、これからの日々を思い自分に気合を入れ直す。
「でも、これだけ良いお家なら……みんなと一緒が良かったなぁ」
ただどうしても拭いきれない寂しさをこの日だけは封じず、素直に吐露する事にした。
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