少女はあるキーワードや雰囲気で何となく、そう考えていた、が。
はっきり言ってしまえば、勘違いしていたと言う事になる。
誰と、まで言い切ってしまえばあの方にも勘違いしていた方にも失礼なので。
「あぅぅ……ごめんなさい~……」
懲罰用と書かれたはんまーを持つアリスにぴこぴこ叩かれている少女が泣きながら謝っている。
姿勢は勿論正座、もう一時間も動く事を許されていないのである。
……アリスの顔が何だか楽しそうに笑みを浮かべているのは気のせいだろうか。
そしてようやく解放された時、遠方の義妹より届く手紙。
そこには、長く共に暮らしていた友人の旅立ちに落ち込んでいる様子が見て取れた。
「そっかぁ……そっちも大変みたいだねぇ。……スも、苦しかったらすぐに帰ってきて良いからね」
遠くにいる義妹の名をそっと呟き、そっと祈る少女。
その表情に普段の軽さや笑みはなく、ただ家族を想う姉の表情が浮かんでいた。
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