「だからさ、ボクも作るの初めてだったし、アリスもそれで良いって言ってたじゃない……え?知らないって!
非道いよ、それじゃあまるでみんなボクのせいみたいじゃない!え、その通りって……!?」
原因となっているのは、正座させられている少女の前に置かれた一つの皿。
キャベツに豚肉だろうか、それに細かく刻んだネギが混ぜられ、焼かれた生地が見える。
所謂お好み焼きというものだった……しっかりと焼けてさえいれば。
少女が妹分に叱られていたのは、どう見てもおいしく無さそうに出来てしまったその物体の為。
キャベツが多かったのか粉が少なかったのか、所々崩れてはパンケーキの様な断面を覗かせ、
塗られたソースもその惨状を隠し着れていない。
そんな結果になったのが、出来上がりを楽しみにしていたアリスの逆鱗に触れたらしい。
声にはださねど念話とお怒りの表情で、懇々とお説教が続けられている。
……少女に解放の条件として与えられたのは、出来損なったお好み焼きの完食。
味は、まあ、食べられはする物だったことを此処に記しておく。
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