先程勝負が決まった第一の試合は実に見事な物だった。
自分もあの様な試合を行いたい、と考える少女。
「ふふ……牽制はあの手で、仕掛けはああやって……でもこれだと少し……ああ、だったら……」
何やら狙いたい攻撃がある様ではあるが、その方法を考えている所らしい。
考え事をしながらも少女の指からは魔力の糸が伸びており、足下に転がっている短剣に繋がっている。
「……うん、やっぱり試合開始の前、出来れば先に入って準備を……」
方策が決まった頃には、少女の指は縦横無尽に動き回り無数の短剣に糸を繋いでいた。
この工程は、最後の仕上げ。これさえ終えれば完全だ。
「……ふふ、これで良し……っと♪」
にっこりと微笑んで、少女は短剣を服の中へと仕舞い込んでいく……。
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