衣装は紫色のピッタリとしたアンダースーツにローブ風の長袖衣装、全身を覆い隠す大きなマント。
手には指まで包む薄手の生地と、手の甲を守る厚めの生地が重なったデザインの黒い革手袋。
指の関節部分の生地も厚くなっており、魔力の糸を直接攻撃用途に使う為の指の保護の役割を持っている。
脚には先端が尖って反った、ピエロ靴に似せたブーツを履いている。無論踵に刃や隠しナイフの仕込み済み。

薄いアンダースーツは日頃からの愛用品であり、動きを阻害する事のない素材を使って作ってある。
自分の髪を編み込み、全身へ即座に魔力を通せる他に気配消しや多少の魔法耐性の効果も持つ優れ物だ。

長袖の衣装には袖の内側や側部に隠しポケットを大量に増やして仕込み武器を隠し持つ。
短剣や投げ針、防御も兼ねた鉄の長針に、薬の毒など各種小瓶。脚の方には小型の手斧も装備済み。
袷の部分や襟元、裾の部分には魔力の糸を束ねて作ったワイヤー状の物で補強も施してある。

マントの裏側にももちろん仕込みはバッチリだ。短剣類に加えて多数の矢を内側に括り付けてある。
また縁の部分には衣装と同じくワイヤー仕込み、だがこちらはマントを振り回して切り裂く事を目的に。
マネキン腕も中に大量に吊してあり、内部からある程度自在に動かせる仕組みとなっている。


「こんな所かなぁ……今回は攻撃魔法は無しで行きたいし……その分虚を突く方法をっと。
うん、道化師の本領発揮っぽいなぁ……♪」

魔法を使う気がない為、魔法補助や回復の役割を持った人形も今回はお留守番。
少女は攻撃方法を色々と考えながら、傍目にはのんびりと見える様な顔でその時を待っていた。