閉鎖的な土地に暮らす少女と、偶然その地を訪れた少年の恋物語。
しかし少女はその土地を治める領主の娘であり、少年は何処の生まれとも知れぬ旅の者。
当然彼女らの事を知った領主達は引き離そうとし、少女はそれに抗い、少年は困惑する。
「……そして散々妨害をしてきた果ての結果が、少年を殺そうとする短慮と、彼を庇った少女の死、ねぇ」
ぱたん、と古びた本を置いて少女が呟いた。
「誰も報われぬ古い物語、ならば一夜限りの舞台の上でも幸せになれますように……」
少女は物語の登場人物を模した人形を作り上げ……。
それらは出番を今か今かと待っている。誰もが皆、幸せになる為に。
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