いつもと違う時間とはいえ5分と差がない時間だ。大丈夫だろうと高をくくっていた少女。
そう、いつもならば10分以上余裕を持って購買に並べていたのだ、が……。

「嘘……何、コレ？こんなに凄かったっけ……？」
少女の目の前には購買を埋め尽くさんばかりの人の壁。
店員の怒声と生徒の怒号。飛び交う金銭とパンの袋。

……最早この状況では、例の物は売り切れているだろう。

「むぅ……また明日に賭けなきゃ、かぁ……」
少女は肩を竦めると、踵を返して学園を後にしたのだった。