新たな戦い方を考えた事や珍しい植物を見つけた事、友人や戦友の事が書かれていた。
文面を目で追いながら、少女は穏やかな笑みを浮かべている。
……ふと、ある箇所で目を止める少女。
そこに書かれていたのは氷の魔法の制御方法を教えて欲しいという懇願。
(そっか……アレを使いこなせる様になったんだぁ……)
少女が思い浮かべるのは、義妹の旅立ちの際に手渡した、溶けない氷で作った仕込み手甲。
氷の魔力をたっぷりと込めていたそれを媒介にすれば、氷の魔法も使える様になるだろう。
「寂しくなるから自分に禁止してたけど……久々に話してみたいかも……?」
話しかける手段は幾らでもあるが声を聞けば寂しくなりそうだと考えていた少女。
しかし一度、話しかけてみようかと心が動いていた。
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